2016年06月11日

「会計学」って?

こんにちはATSUです。

最近、USCPAや会計についてよく質問を受けるので、今日はちょっとだけ私の専攻でもあり、職業でもある「会計」についてお話したいと思います。

「英語」と少し離れるかもしれませんが、海外での会計士の活躍機会等についてもお話しすることで、海外で働きたいと考えている方にも少しでも有用な情報を伝えられるよう努力します。

「そもそも会計って何?」という方が数多く居ると思います。

私の話す「会計」というのは簡単に言えば、どのように会社の状態や業績を報告するのかにまつわるルールに関するお話です。

「うちの会社は今年の売上は一億円でした」と言っている会社があるとしましょう。この売り上げっていうのはそもそも何なんでしょうか?どうやって計算するんでしょうか?そして、誰がその数字を必要としているのでしょうか?そういったことです。ちょっと分かりにくいですよね

例えば、あなたがネットで本を売っていて、今年一年(1月1日〜12月31日)の最終日、つまり12月31日に1000円の本をネットでお買い上げ頂き、当日郵送して、一週間後(つまり翌年)に届き、そのお届け日にお金が振り込まれたとします。

このときの売上1000円は、今年の報告に含めるのか、それとも、来年の報告に含めるのかどっちでしょうか?全く会計を知らない人であれば、なかなか良く分からないのではないでしょうか。

実は、こうしたひとつひとつのことに会計ルール(Accounting Standards)があるんです。会社は、このルールを理解して、それにしたがって数字を計算して、各年度の報告書(財務報告書、Financial Statements)というものにまとめます。この作業をしているのが経理部と呼ばれる部署です。こっちだとAccounting Teamとか、Accounting and Finance Departmentなどと呼びます。そしてこの部署で作業をしているひとはAccountant、会計士です。日本では会計士と聞くと公認会計士(Certified Public Accountant/Chartered Accountant)をイメージしますが、経理部で働いている人も立派な会計士です。

そして上場企業であればこの報告書を誰でも見られるように公開します。なぜでしょうか?

誰も興味が無いなら、公開しても意味ないですよね?このブログも、誰も読んでくれないのであれば、公開する意味はありません。会社も同じなんですね。上場している会社は株と呼ばれるものを発行して、お金を調達します。株は紙切れだったり、紙すらない(電子)こともあります。なんでこんなものに皆がお金を払うかというと、

1. その株というものが自由に売ったり買ったりできるようになっていて、その値段がたいていは会社の業績と連動して上がったり下がったりするので、安く買って高く売れれば儲かる(つまり今後高くなりそうな株を買う−空売りというのもありますがここでは割愛します)

2. もしくは配当金(Dividend)と呼ばれる、定期的に株をもっている人に会社が払うお金をもらう権利がついていて、それで儲かるというわけなんです。


どちらの場合でも、会社の業績は株を持っている人(Stock holder)からすると気になりますよね?株価が上がってほしいなら業績が気になる。配当もちゃんとくれるのか心配だから業績をみる。

その業績を見るために、株主は財務報告書(Financial Statements)を見るんです。

さてここで、あなたが株を買おうと思っているとします。そこで会社Aと会社Bがあって、Aは「うちの今年の利益(Profit)は100億円ですよ!この数字は、うちの会社の優秀な会計士が計算したので、絶対合ってます!」と言っていて、Bは「うちは利益が50億円です!この数字はうちの社員が作ったあと、会社の外部の全く無関係な人間によってチェックされています!」と言ったとしましょう。

どっちの株を買いますか?利益のみで投資の意思決定をするとしましょう。

そうなると100億の方がもちろんよさそうですよね。

しかし、100億の方は、内部の人間が作った数字で、特にチェックされていない。一方Bは、外部機関がチェックしている。どっちが信頼できそうですか?

Aの内部の人間はもちろん利益を多く見せたいので、もしかするとかさ増ししてるかもしれないですが、Bはその会社の利益なんてどうでもいいという人がチェックしているので、Bの方が、数字の信頼性は高いと思いませんか?

このように、会社は自分で最初数字を作って、それを公表できるなら、どうしても業績を良く見せたいわけです。しかしそれでは、株を買おうとしている人が安心して購入できないので、会社は監査法人というところに頼んで、会社の業績が合理的に見て正しいですよというお墨付きを頂く必要があるんです。そうでないと公表できないようになっています。この監査法人というところで働いている人、それが監査人であり、一般に言われる公認会計士です。

具体的に言うと、監査はチームを作って行われ、チームの一番上の人(Partner)が最後にお墨付きのしるしである署名をします。この署名をする人間は、絶対に公認会計士でなくてはいけません。しかし、このサインをしないほかのチームの人間は公認会計士である必要は全くありません。日本ではなぜか監査法人に入るために公認会計士試験を合格してからでないと中々入れないようですが、実際には会社のかなり上のポジションにいかない限り、この資格は持って無くても大丈夫です。

この監査という仕事が私の現在の仕事です。

他にも、税金関連に特化した会計士もいます。日本では税理士(Tax Accountant)と呼ばれ、日本では税理士試験という公認会計と別の試験があります。しかし公認会計士試験を合格すれば税理ができるので、何のためにあるのかはよく分かりませんが。。。

こちらオーストラリアでは公認会計士試験しかありません。アメリカも同様です。

また、監査法人のトップになるつもりがなくても、会計士資格は会計知識がありますという証明書代わりによく使用されます。

さて会計、そして会計士の仕事がなんとなく分かったでしょうか。会計は数字をつくる上でのルール、会計士はそれにのっとって業績報告をつくったり、つくられた業績報告をチェックしたりする仕事。このルールというのは日本で議論されるものには主に三つのものがあり、それが

日本ルール(JGAAP)

米国ルール(USGAAP)

国際ルール(IFRS)−オーストラリアなど


の三つです。

ほとんどの国がIFRSで、アメリカと日本のは独自の基準があると考えてください。

もちろん会計は会計なので似ているのですが、細かい部分が違います。

そしてこの違いが問題になることがあるんですね。なぜでしょう。

今世界はグローバル化していて、投資家は必ずしも自国の株にしか興味がないわけではありません。例えば日本での外国人投資家の取引割合は6割くらい。これって、すごい多いですよね。

そういう投資家がアメリカ、オーストラリア、日本の三つの会社の業績を比較しようとしても、全部違うルールでつくられた数字なので、比較しにくいわけです。

アメフトと、オーストラリアンフットボールと、ラグビーのチームを比較して、どのチームが一番強そうかと考えるようなものです。

これが国際会計論(International Accounting Theory)という論の中でよく話される話です。

だいたいこんな感じでしょうか。

さて、ここで海外での就職機会を考えて見ましょう。公認会計士のトップにならなくても会計士の資格は会計知識の証明書として使われることが多いといいましたね。海外で就職をしようとしたときに、その資格がRecogniseされるかどうかが気になると思います。

例えばアメリカで、オーストラリアの公認会計士の資格は認められます。その逆も同様です。お互いを認め合っていて、書き換えができるようになっています。

ところが、日本の会計士資格はどうでしょう。アメリカなど他の国との乗り入れをしていないため、海外で書き換えができません。つまり使えないんですね。世界一難しいといわれる会計士資格であるにもかかわらず、世界では使えないんです。

私はそれを知っていて、日本では会計士として働く気がなかったので、日本の公認会計士を考えたことはありません(受かったかどうかも知らないが笑)。

そこでオーストラリアでも使える、USの資格を取りました。

資格が全てではないのはもちろんそうですが、会計の世界で、外国人であるディスアドバンテージを考えると、最低でもこうしたものがあると多少なりともプラスになるなと個人的には感じました。もちろん日本人であることをアドバンテージに出来る場所を探したり、英語を完璧にネイティブレベルにしてビザの問題も解決すれば、問題はないでしょう。

ちょっと人によってはかなりつまらない印象を受けたかもしれませんが、今回の記事はこれで終わりです。少しでもお役に立てればうれしいです。

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posted by ATSU at 17:33| Comment(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
待ってました!
ありがとうございます!(^○^)
Posted by Yuu at 2016年06月04日 12:10
今回の記事は、会計の中でも財務会計のお話ですね。
また、これはUSCPAの場合であって、日本の公認会計士の話ではないですよね?
日本では、監査は公認会計士のみが出来る仕事です。
故に、監査チームに入るには公認会計士の資格が必要となります。
自筆捺印しなければ資格は必要ないという記述は語弊があると思います。

監査チームに関しても、あまり大きくなければ新人公認会計士でもバンバン一人で行いますし、先方へも出向きます。

記事を読んでいて、多くの方への誤解を招きそうな書き方だったのでコメントしました。

追伸
USCPAの試験も日本と同様、短答合格後に論文なんですか?
また、合格後、実務2年と補修3年→修了試験→登録だったのですが、この辺りにも違いはあるのでしょうか?
Posted by くらげ at 2016年07月01日 05:49
米国公認会計士の資格を取得するのに、どんな勉強をしましたか?
Posted by あい at 2016年08月01日 12:33
こんにちは、いつも有益な情報発信ありがとうございます。

私は今度オーストラリアへの赴任がきまっている者なのですが、USCPAのライセンスを持っているので、相互承認を活用してオーストラリアのCAを取得したいと考えています。
CAのサイト(http://www.charteredaccountants.com.au/members/membership/recognised-overseas-accounting-bodies)を見ますと、USCPAが相互承認をうけるにはconversion courseなるのもを受ける必要がありそうなのですが、このconversion courseに関する情報が少なく困っています。Atsuさんはconversion courseを取られましたか?また、その他どのように相互承認の条件を満たされましたか?
Posted by mh at 2016年11月26日 09:24
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